ドラマチックさに憧れ、リアルな恋愛とは遠い方向へ

ですが、条件にとらわれすぎていては、本当に相性の良い相手を見逃すこともあります。まさに私はそうでした。

『どうしても、結婚したかった。 1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(著:かわむらあみり/東京ニュース通信社)

 

縁遠くなった理由を振り返ると、10代や20代など若さが大きなアドバンテージとなり、はつらつとした魅力に輝く年代はそれだけでモテる時期だというのに、ほぼ恋愛に興味がありませんでした。

やがて自らの意思を持って35歳から婚活を始めた時には、自分より高収入なことは勿論、できれば性格が良くて、顔も良くて、自分が一人っ子のため相手の男性は次男だとベスト! などと都合のいい条件を決めて出会いを求め、結果約1000人もの男性と婚活することに……。

そもそも好きなアーティストや俳優の作品を聴いたり観たりしていると、私の場合、「こんなにカッコいい人がいるなんて!」「めっちゃ良い作品」と幸せな気分になって大満足。

それだけで満たされた気持ちになって、稀に現実社会で好きになってくれる相手が現れたとしても、いわゆる推しの存在ほど惹かれるものを感じず、まったく興味が持てませんでした。

相手のことはまず容姿から知っていくことが多いですが、心を揺さぶるエンタメ作品に触れた時ほどの感動を現実社会で経験するようなことがそうそうあるわけではありません。

ましてや芸能人のように周りから常に見られることによって磨きがかかり、日頃から人目を引く容姿でいるためにお金をかけられる境遇の一般人はなかなかいません。

つまりドラマチックさに憧れ、面食いだった私は、自分のことは棚に上げて、リアルな恋愛とは遠い方向へと自ら歩いていた時期があったように思います。