明子 普段の会話も、つい七五調になったり。(笑)
力 迷惑かな?
明子 そんなことないですよ。たまにくだらないものもあるけれど、面白いのもあるし(笑)。作品募集に送ったらどうかと、けしかけているんですけどね。
力 いやぁ、お恥ずかしい限りです(笑)。少しご披露すると――。
気がかりは 血圧一番
妻二番
アイディアが
出ては流れて
消えていく
生きるには
料理を教えてほしかった
さまざまな能力を失ったいま実感するのは、自分のことは自分でできるようになりたい、ということ。料理を習いたいけれど、気づくのが遅かった。僕らの世代が受けた古い教育のせいもあって。
本当は男女関係なく、自分のことは自分でする能力を身につけるべきでしょう。私はすべて妻に任せるしかなくて、本当に頭が上がらない。
明子 その気持ちは受け取っておきましょう。(笑)
力 いまはまだ、日常生活の段取りがわからない。たとえば食事中、醤油をかけたくても、どうしていいかわからなかったりします。そこで浮かんだ一句。
わかること
わからないこともあり
ややこしねん
僕がもたもたしていると、パッとやってくれるでしょう。あれは、やめてもらえないかな。幼子が一つひとつ、生きるためにいろいろなことを覚えていくように、いま、学習中なんです。もどかしいかもしれないけれど、気長に待っていてほしい。
明子 私がやったほうが早いから、ついやってしまうのよね。