(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が行った「令和4年 国民生活基礎調査」によると、40~69歳のがん検診受診者の割合は、過去2年間で約4~5割だそう。そのようななか、異色の医者芸人・しゅんしゅんクリニックPさんは「不調と向き合わず、健康なふりをして生活するアラフォー世代が急増している」と警鐘を鳴らします。今回は、医療とお笑いに精通した、しゅんPさんならではの健康アドバイスを自著『40歳を過ぎるとなぜ健康の話ばかりしてしまうのか?』より、一部お届けします。

「数字」に振り回されてきた人生

健康診断や人間ドックで僕たちを一喜一憂させるのが「数値」や「判定区分」です。

数値をなんとか基準値に収めるため、そしてA判定を勝ち取るために、検査の1週間前から禁煙・禁酒をしたり、数日前から食事量を減らしたり、前日にいきなり筋トレをしたりと、ついついやってしまいがちな悪あがき。

それもこれもすべて「数字」のため……。

思えば僕は、昔から「数字」とともに歩んできた、いや、数字に振り回されてきた人生でした。

受験生時代には「偏差値」が勉強する上でのモチベーションでした。上がったらうれしいし、下がったらひどく落ち込みました。

高校3年生になると偏差値をひとつでも上げるため、睡眠以外の16時間はすべて勉強の時間。食事も部屋に持ってきてもらって、いつでも暗記できるようにトイレにも紙を貼って……と絵に描いたような受験生時代を過ごしました。

そんな努力のかいもあり、偏差値は65から70ぐらいをキープ。自分に合った勉強法を見つければ確実に結果が出るというゲーム性も相まって、ますます偏差値にのめり込んでいったのです。