ラッキーゾーン復活で四番打者を

甲子園球場は大好きな球場ですが、打者が育たない球場であるのは確かです。

ブレーザー監督(1979~80年)の時代にもラッキーゾーンを外そうという話になったことがありました。ただし「武器である掛布のホームランは減らしたくないので、レフトだけ外そう」となりました。

伝説の「バックスクリーン3連発」。1985年撮影(写真提供:報知新聞社)

左右非対称の変形になりますが、MLBのレッドソックスの本拠地のフェンウェイパークにもグリーンモンスターと呼ばれる左翼の高いフェンスがあります。左翼と右翼が同じ広さでなくてもいいという話になったのです。結局は高校野球との絡みもあって実現はしませんでした。

私は本気で四番打者を育てるなら、ラッキーゾーンを復活させる方がいいと思っています。

ソフトバンクの本拠地ヤフオクドーム(現・福岡PayPay(ペイペイ)ドーム)もホームランテラスを設置して、ホームランが出やすくしました。

高校野球も2024年のセンバツから低反発の金属バット使用でホームランが出にくくなるでしょう。もう一度、ホームランの出やすい球場にするための改修を検討するタイミングとなるかもしれません。

打者が育つ、育たないは球場の環境もあります。1度でも30本塁打をクリアすると、周りの目も変わってきますし、大きな自信につながります。40本ともなるとなおさらです。

でも、今の甲子園球場で左打者が40本を打つのは至難の業です。2021年にルーキーで24本塁打の佐藤輝明も、東京ドームを本拠地にしていたら1年目から30本をクリアしていたはずです。