頑張る人には必ず活路は開かれる

舞台『ビリー・エリオット リトル・ダンサー』【2020年公演より 撮影:田中亜紀】益岡徹_中河内雅貴

果たしてビリーは、その才能を見抜かれてバレエ団に入団、立派に成長していくのだが、厳しいレッスンに向き合えたのは、ビリーが自分の受けた愛を真摯に受け止めたからだと思う。金持ちの坊ちゃん嬢ちゃんにはできない努力を彼はする、彼は勝つ。階級を這いあがる力を、父の愛、母の愛、みんなの愛で授けられたのだから!

今の日本で子育てして行くのが大変なのは間違いない。でも、「親ガチャ」とか「格差社会」という言葉を言い訳に、最低限の努力もしない親と子が多すぎやしないか。

私も実家は豊かではなかったし、親の協力は皆無だったが、血のつながらない人に沢山応援いただき、道が開かれた! 頑張る人には必ず活路は開かれるのだ。恵まれ過ぎで羨ましい2代目一流アーティストも沢山いるが、政治を見れば、世襲議員がどれだけダメか解るというもの。そんな奴らを追い越すことは、決して不可能じゃない筈!

舞台『ビリー・エリオット リトル・ダンサー』【2020年公演より 撮影:田中亜紀】川口調_永野亮比己

いまの日本は「戦う前に諦める」「すべて政治のせいにする」と言う、深刻な病に侵されている。どんな時代にも逆境を乗り越えて生きる人はいる。別に天才でなくたっていいのだ。「誰のせいにもできない自分の人生を、自分で切り開く」ことがどれだけ大切か。

其れを「できるんだ!そして、親は愛をもって精一杯やるしかないんだ」と、この映画(ミュージカル)は教えてくれる。そういう愛を与えられた子どもは、たとえ一度は挫折しようと、不良になんかなりはしない、そして時間がかかっても格差を乗り越え、自分の道を切り開くだろう。

P.S
進路になやむ若者と、子育てに悩んでいる親御さんと、両方に見て欲しい。まずは親子で映画『リトルダンサー』を観て、舞台の『ビリー・エリオット』を観るべし!