最高の見どころ
「スト破り」と罵られながら、炭鉱に向かうバスに乗り、深い坑道に降りていくジャッキーの姿には胸が熱くなる。彼は愛する息子のため、「裏切りもの」の汚名を被るのだ。
「愛する」というのは何と厳しいことか。息子ビリーは勿論その重みを感じたろう。そして必死で「踊る」。ビリーの踊りは愛そのもの。彼の愛と与えられた愛への応えなのだ!
そしてロイヤル・バレエ・スクールの面接に行くパパ・ジャッキーとビリー。他の子たちとの階級差にショックを受け、最低な態度で面接を受ける場面は最高の見どころ!
パパ・ジャッキーの全くなっていないネクタイの締め方。背広が無いため皮のジャンパーを羽織り、安物の革靴を履きながらも、「息子さんの教育を全力で応援できますか?」ときくバレエ団の先生に向かい「はい、全力で応援します」と言い切るその瞳の純粋さ、切実さ、立派さ!見ていて目が熱くなる!
父親のみならず、町の沢山の人々にも応援されたビリー。「スト破り」とジャッキーを罵る町の男に、「いいじゃないか。息子がロイヤル・バレエ団に行くんだから」、と言い返す老女。そしてたくさんの人々が、なけなしの御金を寄付に持ってくる。こんな応援をされたら、ビリーは全身全霊で踊るしかない!