芸人の芦名秀介さんと祖父の廣喜さん(撮影:宮崎貢司)
孫にドッキリを仕掛けられ、大きな声で驚くおじいちゃん。そんな動画で一躍人気者になったのは、芸人の芦名秀介さんと祖父の廣喜さんだ。廣喜さんは要介護3だが、二人の暮らしには笑顔が溢れている。ここに至るまでには波瀾万丈の歴史があった(構成:樋田敦子 撮影:宮崎貢司)

<前編よりつづく

ネットの世界でも人気者に

廣喜 あの頃は俺も元気だったよ。自転車にも乗れたし、筋トレもして。50歳で始めたテニスも含めて、よく運動したよ。

秀介 そうそう。2020年、コロナ禍で仕事が減ったから、ユーチューブやティックトックでネタをやろうと当時の相方に持ちかけたら、「おじいちゃんとやるべきだ。90超えて自転車に乗れる人はいないよ」って言われた。

それでためしに短い動画をティックトックに投稿したら、たくさんの人に見てもらえて。なんてことない日常を撮影しただけなのに、1億回も再生されてびっくり。最初はじいちゃんに内緒で撮影していたけれど、いとこの子に見つかってバレたんだよね。(笑)

廣喜 そうだった。恥ずかしいからやめてくれと言ったな。

秀介 でもその後、東北に住むじいちゃんの戦友から動画を見たと連絡が入ったり、それがきっかけでアメリカに住む親戚ともつながることができたり、嬉しい反響があった。

それで撮影を許してくれたんだよね。自分の顔を動画で初めて見た時は誇らしかったんじゃない?

廣喜 まあまあだな。(笑)