フィニッシュがうまい

先日、最後の東京ドームの不死鳥コンサートをまた観たのですが、あらためて気付いたことがあるんです。それはひばりさんはフィニッシュがうまいということ。フィニッシュというのは歌の終わり方、体操でいえば着地です。体操っていうのは、鉄棒でも跳馬でも途中でいろいろな技を出していっても、最後にピタッと決まるかどうかがとても大事。それと同じことを感じたんです。最後の最後まで大事にして、すぅーーっと実に見事に決めているんです。

あの不死鳥コンサートはひばりさんが命を削って必死の思いで成し遂げたものだったわけですが、そんな体調の悪さを感じさせないような見事なフィニッシュでしたね。歌っていうのは、前奏が始まったときからドラマが始まって、エンディングの最後の最後までが歌なんですよね。それをひばりさんに、あらためて思い出させてもらいました。

あのコンサートの時のひばりさんは、50歳なんですよね。今の僕はすでにそれより26も上になっている。ちょっと驚きますね。(笑)僕が50歳のころはどこまでも声も出ていましたよ。でも、ひばりさんはあれだけの病を抱えて、わずかな段差も上がれず、口内炎もひどかったということを微塵も感じさせていない。たいしたもんです。

それとね、ひばりさんの曲は歌詞を見なくても全曲歌える自分にもびっくりしました。(笑)やっぱりものごころついたときからずっと歌っていますから、体が覚えているんですね。