〈72歳と2ヵ月〉とテロップを入れて
初めてシリーズを観る人にどんなところを楽しんでほしい?という質問には、柴田が「『あぶ刑事』は昔からかっこよくて面白くて、でも観終わった後に何も残らない、そういう感じのドラマだったし(笑)、それを目指してたところもあるんです。でも今回は、何か残るんじゃないかな、と期待してます。かっこよくて面白くてちょっと切なくて、観終わった後に元気になれるような作品になっていると思います」とアピールした。
息の合った掛け合いやアドリブも期待される本作だが、今回はシリアスな場面もあるという。演出について舘は「僕は監督の指示通りやらせていただきましたが、恭さまは勝手にやってました」と会場を笑わせる。仲村は「アドリブっていうか…僕は提案と言ってるんですけど、新しい提案、お2人からどんなものが飛んできても、柴田さんにはすぐ返す、舘さんには取りやすそーなスピードで返すのを昔から心がけてます」とチームワークの良さをうかがわせた。
「『あぶ刑事』魂」について聞かれた浅野は「いろいろ最近、突っ込まれたりする世の中ですけど、もともとつっこみどころ満載なドラマなんですよね、でもそれでいいんじゃないかな、と」と表現。仲村は「今日聞いて『あぶ刑事』を見たことのないスタッフだと感じなかった。それは2人のいるところに『あぶ刑事』の空気ができるからだと思うんです。あと、現場では、若い俳優さんに、〈自分でトライできる場面でも、最後はどっちかにパスを渡せ。ここはオールフォーワンではなくオールフォー2〉とアドバイスしました」と答える。
ラグビーをやっていた舘に気を遣ってのコメントだったが、当の舘はまったく聞いてなかった様子で「え?ラグビーの話してたの? ごめん、ほかのことを考えてた。内容は言えないけど」と下を向き「日本が負けて残念、ニュージーランドも負けて残念」と苦笑い。
『あぶ刑事』といえばハーレーダビットソンにまたがるタカやユージの疾走が見どころ。アクションについて聞かれると、舘は「僕はちょこっと出てきて銃を撃つだけなんですが、恭さまは…」と振れば、柴田が「先週走るシーンを撮影したんですけど、スタッフに〈72歳と2ヵ月〉とテロップを入れてくれと頼んだんですよ」と言えば会場には笑いが。仲村が「多分テロップは入らなくて、早送りの映像になると思います」とまとめていた。
舘が「スタッフも皆若く、映像がまったく違う新しいものになってます。ご期待ください」と言う本作。柴田は「37年、自分たちがやってきたように思ってたけど、ファンの人が撮らせてくれてたんだな、と思います。まずは今までのファンの人たちが観に来てくれて、その人たちがお友達に声かけてくれれば。全く観たことがない人にも満足してもらえるものになっていると思う」と締めくくった。
会見だけでもその空気が伝わり、期待感が高まる新作『帰ってきたあぶない刑事』。
公開は2024年5月24日(金)予定。
『あぶない刑事』シリーズ
▼日本テレビ系ドラマ
86年10月~87年9月『あぶない刑事』
88年10月~89年3月『もっとあぶない刑事』
98年『あぶない刑事フォーエヴァー テレビスペシャル'98』
▼映画
87年『あぶない刑事』
88年『またまたあぶない刑事』
89年『もっともあぶない刑事』
96年『あぶない刑事リターンズ』
98年『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』
05年『まだまだあぶない刑事』
16年『さらばあぶない刑事』