人を対象とした研究の報告数が増加

このように、まだ課題はあるものの東洋医学の再現性を担保するための施術・療法の標準化が進められた結果、人を対象とした研究(臨床試験)の報告数は近年右肩上がりに増加してきています。

【図】臨床試験の報告数の推移

また別の背景として、中国が国家戦略として研究費を投じて研究を推進してきたこと、アメリカでNIH(国立衛生研究所)が生薬や鍼灸などの検証に対する研究費を増額したり、専門の国立機関(National Center for Complementary and Integrative Health)が設置されたりしてきたことも挙げられます。

そして、効果の有無を検証する臨床試験と並行して、東洋医学が効果を発揮するメカニズム解明の研究も進められてきています。これらの研究では、分子生物学的な手法を用いるもの、最新の脳科学、神経科学、免疫学の知見を応用するものなど、科学が進歩してきたからこそ明らかになってきた面もあります。