ナマズやエイの電気刺激を利用した痛み改善も

また、刺激の方法としては、刺した鍼に電気を流して刺激する鍼通電(はりつうでん。電気鍼)という方法もよく用いられています。

この鍼通電の起源には諸説ありますが、紀元前のヨーロッパで始まったとされる電気刺激療法が源流にあると考えられています。

実は、古代エジプトや古代ギリシャでは、電気ナマズやシビレエイの電気刺激を利用して痛みの改善などの治療が行われており、その後もヨーロッパでは電気を用いたさまざまな治療が続けられていました。

そして、19世紀前半、フランスの医師ベルリオーズが鍼に電気を流して腰痛の治療を行ったことをきっかけにして、東洋の鍼灸と西洋の電気治療を組み合わせた鍼通電(Electrical Acupuncture)が始まりました。

現在では世界中に広がり、治療だけでなく動物を用いた鍼灸の研究にも使われています。