(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、40代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第25回は「積立NISAよりも積立NEESAN(姐さん)だ」です。

積立NISAやるべき?

話題の『積立NISA』が気になっている。あちこちで情報が流れているので、皆様も周知だとは思うが、政府が推奨している非課税投資制度のことだ。一般社団法人投資信託協会が、20〜79歳の男女を対象に行った2万人アンケートによると、そのうちの13.8%が保有しているらしい。

ぼんやりと(やったほうがいいよなあ……)と思いつつ、中高年特有のフットワークの重さが邪魔をしている。同い年の友人と先日も『積立NISA』の話題になった。

「うちの息子がね、私がずっと『積立NISA』について騒いでいたから『積立兄さん』という人がいるんだと思っていたらしいの」
「(笑)」
「ひさちゃんは『積立NISA』、やってる?」
「まだなんだよねえ、やるなら色々と調べたいと思っていたら時間が過ぎてしまって。他でちょっとやってはいるけど、本腰は入っていないかも」
「でも本当にやる価値があるのかな」

二人とも、特に株取引、信託などを信用していないということではない。我が実家も含む、日本の家庭財務は“貯金”をベースに資産形成を続けてきた。私も「金を貯めろ」と口が酸っぱくなるほど、親から言われて育った世代だ。「金に働いてもらう」という話には、未だに尻が据わらない節がある。

「この前、株をやってるゆうこりん(小倉優子)は国が推奨しているから、怪しいって言っていたんだよ。けど私の友人で投資に詳しい子がいるんだけど、その子は少額でもいからやっておけばと。どっちが正しいのか分からんな……。いっそのことタンス預金でいいやと思っちゃう」
「うーん、でもお金よりももっと積立ておくべきものがあると思うんだけど」
「ほう」

さて、おばさん二人の会話はどんな方向へ向かうのか。