人間関係を支配する「マニピュレーター」
このような支配をする人を「マニピュレーター」といいます。
精神科医の片田珠美先生の著書『他人をコントロールせずにはいられない人』(朝日新書)にも書いてある通り、人間関係を操作して自分の思い通りに支配する人のことです。
彼らは最初から支配しやすいターゲットを見定めて近づき、孤立させては、あたかも自分が救世主であるかのように振る舞い、ターゲットを心酔させていきます。
その様はまさに、心身ともに侵食していくようなもの。ターゲットは相手の悪意に気づくどころか、心底信頼しきってしまいます。
周りの人が忠告しても耳を貸すどころか、批判する人たちを遠ざけてしまい、ますますマニピュレーター(支配する側)とターゲット(支配される側)の依存関係が強固になっていくのです。
このマニピュレーターと呼ばれる人は、他人に対する共感などはなく、ただ自分の支配欲や自己愛を満たしたい傾向にあります。
そのために、まずはターゲットに心理的に不安を抱えている人を選び、より不安にさせて、親しい人や仲間から孤立させることから始めるケースが多いです。
私たちの脳は不安や恐怖を感じると、まずはその不安と恐怖を取り除いて安心を得ようとします。
そこで「安心できる人物」が目の前に来ただけで、自分の警戒レベルが一気に下がってしまい、相手に対する判断力を失わせてしまいがちです。
これが、悪意を隠して善人のフリをして近づく人間関係操作をする人の特徴です。
騙されないようにするためには、その人が何を言っているかではなく、その人の行動を冷静に判断し、客観視することが大事になります。