アロマテラピーとの出会い
計10年以上も海外で暮らした早紀さんが、アロマテラピーを体系的に学んで帰国したのが40代半ば。このサロンを開き、精油のオリジナルブランドを立ち上げ、商品の販売を始めました。アロマはいかに純粋で良質な原料を入手するかが肝要だそう。海外在住の間に良質な精油を探し回って見つけ、輸入ルートを開拓してありました。オリジナルブランドの精油はいま、セレクトショップなどでも販売しています。
「もともと、アロマテラピーに代替医療の力があることは、経験から学んでいたんです」。早紀さんがアロマテラピーと出会ったのは20代の頃でした。たまたま職を得たアロマテラピーのサロンが、医療機関と提携していました。
病院内で医師の監督の下、患者の症状を改善する側面支援としてアロマが使われました。そこで、精神的な困難を抱えた患者が、施術によって明らかに改善されるケースを、早紀さん自身が身をもって体験。きちんと学びたいと思い、働いてお金を貯め、40代で、アロマテラピーを専門に教える海外のカレッジに留学したのです。
サロンの部屋は賃貸です。在庫商品の倉庫と自宅も兼ねており、1LDK53平米、家賃7.5万円。築40年以上で水回りが古いため、リーズナブルです。開業時に、マンションを買うことは考えなかったのでしょうか。「探してはみたんですけど、良い物件がなくて」
賃貸契約をした当時の早紀さんは、海外帰りのフリーの、アラフィフ、独身のアロマセラピスト。部屋を貸してもらえてラッキーだったと言えるでしょう。いずれ会社組織にするつもりだった早紀さんは、登記が可能な物件を選びました。マンション内は、不特定多数の人が出入りする飲食店の営業はNGですが、サロン開業はOKでした。住んで9年ですが、幸い、家賃は据え置きのまま。コロナの時には2ヵ月、家賃を減額してくれたほど。大家には恵まれました。
近隣のオフィス勤めの女性たちが通いやすい立地にあります。それでも、経営的には左うちわとはいかないとか。アロマの講習会のほか、精油のオリジナル商品の売り上げで「なんとか成り立っている」そうです。