死に寄り添う猫
大事な使命を見つけた猫もいます。本当に困難な状況にある人たちを助け、サポートする猫たちです。
統合失調症や認知症患者の介護施設では、セラピーキャットや介護猫が活躍しています。
『オスカー――天国への旅立ちを知らせる猫』という本があります。
老年医療専門医のデイヴィッド・ドーサ氏がその猫の話を『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌に掲載して注目を集めました。
白と茶のぶちのオスカーは瀕死の患者をそばで見守ってきました。
あと数時間しか生きられない患者の部屋の前をうろうろして、ベッドに跳び上がり、患者に寄り添うように丸くなるのです。
“デイヴィス夫人の隣で丸くなっているオスカーを見て、古代エジプトで一緒に埋葬された猫のことを思い出しました。とても穏やかな光景でした。「オスカーは死に瀕した患者とだけ過ごすの」と看護師メアリーは静かに語りました”(『オスカー』より)
「複数の研究から、介護施設に動物がいるのは非常にポジティブな要素だとわかっています。認知症だけではなく、うつや凶暴性を軽減するのにも一役買うのです」
ドーサ氏はインタビューで語っています。