「美術リサイクルコーナー」

エコな清涼殿セットを堪能した後は、使い終わったセットの置き場へ移動。以前は「廃棄場」とされていたが、今では「美術リサイクルコーナー」に変身。携わる現場の人たちの意識もリユース・リサイクルを第一にする姿勢に変わったそうだ。廃棄するセットは分別を徹底している。

分別された使い終わったセットの置き場「美術リサイクルコーナー」
以前は「廃棄場」とされていたが、今では「美術リサイクルコーナー」に変身

現場を巡った後は記者会見だ。会場には、岩、パネル、襖、ファンデーションなどが置かれ、それぞれの説明がなされた。

ドラマに登場するダイナミックな岩は、実はゴム素材で作られたラバーシート。記者会見の後に、私は恐る恐るシートの端をつまんで持ち上げてみたら、軽くて、ごわごわした質感が面白く、何回も持ち上げてしまった。それまで、岩や土塀は、ブリキ、発泡スチロール、FRP(硬質樹脂)などで作ってきた。

ラバーシートの岩の横には、『武蔵 MUSASHI』(2003年)に使われたFRPの岩がドンと置いてあった。これを見ると、ラバーシートにより、保管面積を縮小でき、運搬車両の削減を大幅に実現できるのが理解できた。

カラフルな色のパネルが置いてあったが、来月に開催が迫ったパリオリンピックの現地セットのサンプルである。これまでこういったパネルにはベニヤ板を使ってきたが、段ボールボードにすることで軽量化を実現。リサイクルも目指している。