「『和ごはん』は簡単に作れて、栄養価でも優れています」(圓尾さん)

圓尾 僕はご飯と味噌汁という和食の基本形を「和ごはん」として勧めています。簡単に作れますし、栄養面でも優れているからです。

江原 素晴らしいですね。味噌汁に入れる具材をカットして冷蔵庫にストックしておけば、あとは煮るだけでいいからすぐ作れますしね。

圓尾 忙しい人でもすぐできますよ。

江原 先ほど、鰹節の味が変わってきているのにその違いを感じ取れなくなっているという話がありましたね。私は、体の感覚を敏感にするには、質素な食事をしばらく続けることが必要だと思います。例えばインスタント食品など人工的な味つけの加工品ばかり食べていれば、味覚もマヒしてしまうでしょう?

圓尾 確かに加工食品は味つけも濃いですから、その可能性はあります。

江原 それをシンプルな和ごはんにすることで、いったん、塩抜きするような生活にし、敏感な味覚を取り戻す。そこから自分の体についても、いろいろと敏感に感じ取れるようになるのではないでしょうか。

 

日本人は食べ過ぎ。デトックスの大切さとは

圓尾 基本の食事がしっかりしていれば、多少良くないものを摂っても、揺るがない体にできると思います。

江原 なるほど。安全なものを食べたいと思っても完璧にはできませんし、それがストレスになっては意味がない。食べ物で心も形成すると言いましたが、心が苦しくなる食べ方では本末転倒です。だからこそデトックスは重要だと思います。ヒポクラテスの時代から、断食やファスティングの考え方はあるようですが、栄養学ではどうお考えですか?

圓尾 栄養学というのは栄養を摂る、プラスの考え方です。ですから食べずに健康になれるわけがないという考えの栄養士もいます。しかし栄養学はどんどん変化していて、成人したら必ずしも1日3食、食べなくてもよいという考え方も出てきました。

江原 私自身は、ファスティングによって臓器を休ませるというメリットもあると思うのです。

圓尾 消化をしないぶん、デトックスにエネルギーを使えることになりますからね。先ほどおっしゃった味覚のリセットなど、体のメンテナンスにも役立つと思いますよ。