たましいと栄養学、両面からのアプローチ
江原 今回の連載は、スピリチュアルなメッセージと、フィジカルなヒーリングという両面から、よりよい人生を生きる術を探っていく内容です。圓尾さんには管理栄養士という立場から、フィジカル面についてお話を伺いたいと思っています。
圓尾 食が体に与える影響について、ぜひアドバイスさせていただければ幸いです。
江原 圓尾さんはまだお若いですが、私たちの世代からすると、時代とともに食に関してずいぶんと意識が変わってきたように思います。昔はファミリーレストランでの食事はご馳走だったんですよ。ところが今では、一人暮らしで自炊するよりも外食のほうが安上がりだと考えるような時代ですね。日本の伝統的な考え方で特別な日をハレ、日常をケと言いますが、食事に関してはそれが逆転しているようです。
圓尾 確かにファミリーレストランでの食事は、今やハレの食事ではなく、ケの食事と言えそうです。
江原 そんなカオスな時代であることに加えて、原発事故による放射能汚染は、食に対する安全を改めて見直す大きなきっかけになったと思います。私はさまざまな媒体から食に関する情報や知識を得るなかで、圓尾さんがユーチューブというインターネットの動画サイトで発信している情報を知りました。圓尾さんが語る食や栄養に対する考え方は、とてもバランスがとれていますね。
圓尾 バランスですか? 普段栄養学の見地から、安全な食材や添加物、農薬に対する考え方、健やかな体へと整えるための食事の摂り方などを発信しているのですが。
江原 ええ、とても理性的に語っていらっしゃいます。感情的ではないからこそ、実はスピリチュアルな部分に通じる。そういう意味でバランスがとれているのです。私はスピリチュアルなことを言いながら、非常にフィジカルなこと、現実を重んじています。圓尾さんと私はこちらとあちら、向かい合わせの世界から、同じことを語っている映し鏡のような共感があったというのでしょうか。
圓尾 ありがとうございます。実は僕は添加物や農薬などについて、最初から興味を持っていたわけではないのです。
江原 動画ではたくさん語っていますが、以前はそうではなかったのですか?
圓尾 はい。大学の授業では、添加物や農薬などは、ちゃんと国で定められた基準があるので問題ないと教えられます。ですから僕も、オーガニック野菜などはあるけれど、普通のもので十分という認識でした。