「日本文化も含め温故知新は大切。和食に立ち返るべきですね」(江原さん)

添加物を使わずに作るほうが高コスト

圓尾 添加物について言えば、もちろん添加物があるから日持ちがする、食中毒が防げるという利点はあります。とはいえ、ないほうがやはり自然な味わいになるのではないかと思うのです。今の時代、添加物を使わずに作るほうが高コストになる現実もあります。

裏を返せば、それでも添加物を使わない食品を作っている会社は、信念があるというか、信頼できると僕は思うのです。添加物を摂ったらどうなるかという以前に、「うちは使わずに作っています」という会社の食品を口にしたいと。

江原 その考え方はすごくよくわかります。今は、何もかもが嘘の時代。だからこそ本物を大切にしたいし、責任主体で自分が選んだいいものを食べたいですからね。本当に美味しい物って何? 本当のご馳走って何? それをよく考えたいですね。それに、添加物を使わないと高くなるという現実は、物質的価値観の表れだと思います。誰もが安くて便利なものを欲しがる。でも、必要なものにはお金をかけるべきです。

圓尾 「安いとラッキー」としか思わない人も多いですね。

江原 安く済ませていいこともありますが、「全部安くしたい」ではバランスが悪くなるばかりです。とくに食べ物は人間を形成するもので、さらに心まで形成するものだと思います。医食同源という言葉の通りですね。私は以前から、日本人がご飯をあまり食べなくなったことを危惧しています。お米は育つエナジーをたっぷり蓄えたパワーフード。食べることで食材のエナジーをいただくことになります。

圓尾 ご飯はお米と水があればあとは炊くだけ。無添加です。

江原 そう、無添加! 安心です。日本文化も含め温故知新は大切です。食の面から見ても、もっと和食に立ち返るべきですね。