とりあえず触れてみる―「過去問先勉強法」

最後に紹介するのは「過去問先勉強法」です。

これはその名のとおり、過去問を「先」に解く勉強法です。つまり、本格的に勉強を始める前の段階で、解ける・解けないにかかわらず、とにかく過去問を解いてみる。

たとえば、高校1年生の段階で大学入試の過去問を解く。あるいは、対策を本格的に始める前にTOEIC(R)の試験問題に挑戦する。

この勉強法のポイントは、「とりあえず触れてみる」ということ。

逆に、まったく過去問に触れないまま勉強していると、どんな問題を解ければ合格できるのか、という道筋がわからず、その分、時間を多く浪費してしまうことがあります。

一方で、過去問先勉強法を取り入れれば「数カ月後、数年後にどんな問題が解けなければならないのか」「いまから勉強する内容は、なにがゴールなのか」を考えながら勉強ができるようになります。結果として、今やるべきことを明確にすることができるわけです。

その意味で、より効果が出る流れを紹介したいと思います。

まず問題を解く。

その後、解いた問題を「正解して、次も解ける問題」「不正解だったけど、次は解ける問題」「正解できたけど、次は解けるか怪しい問題」「不正解で、次に解けるかどうかがわからない問題」の4つに分類しましょう。

そのうえで「不正解だったけど、次は解ける問題」「正解できたけど、次は解けるか怪しい問題」の2つを、まず重点的に勉強します。最終的には「不正解で、次に解けるかどうかがわからない問題」も対策していきましょう。

ただし、なかには「捨て問」とよばれる多くの受験生が捨ててもいいくらいに難しい問題もあります。まずは「解けるはずの問題」を確実に回答できるようにし、点数を取ることを意識しましょう。

また、関連して「先に答えを見る勉強法」もおすすめです。

この方法は、特に<いくら考えてもわからない問題>について、先に解法を見てから思考のプロセスを逆算。その思考法をまるごと頭に取り込んでしまう、というもの。たとえば「3分間」など時間を区切ってノーヒントで解き、その上で解答を読んで正確に理解する、といった流れが効果的。

詳細は新刊を読んでもらえればと思いますが、今回ご紹介したいずれの方法もさまざまなものに応用できるものばかりですので、ぜひ試してみてください。


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