好きなことをやって人生を楽しむ時代

森永 ちょっと脱線しますが、私は大学でも教えていますし、ラジオやテレビの仕事もしている。

実は童話作家や小説家でもあるし、落語家もやっているんです。最近はミュージシャンの仕事も始めて、「目指せ紅白」と言っています。ぜんぜんお金にならないんですけどね。

『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(著:鈴木宣弘・森永卓郎/講談社)

でもこのあいだ、ついに東京国際フォーラムのホールAで、4000人の観客の前で歌いました。ラジオのイベントだったんですが、もうすっごく気持ち良くて。

鈴木 すごいですね。あらゆる分野を網羅しつつありますね。

森永 次は東京ドームだと言って、ラジオ局には嫌がられているんですけどね。

私の話はさておき、いずれ皆がそんなふうに生きる時代がやってくると思うんですよ。

我慢して都心に住み、資本家に労働力を売り渡す生活はいずれ終わり、皆が好きなことをやって人生を楽しむ時代がくる。

逆に、労働者になる以外に稼ぐ手段がない人は今後危険だと思う。税金と社会保険料がどんどん上がっていますから。そうなると、これまでの暮らしを維持するために、働く時間を余計に増やさなければならなくなる。

いまの政府は滅茶苦茶です。日本の年金制度は危ない。

5年に1度、財政検証と言って年金制度が持続できるかを調査するんですが、いまのままだと2040年には男性の半数は年金では暮らせず、75歳まで働くことになるんです。

でもいま、男性の健康寿命って72歳台(2019年)なんですよ。介護施設から仕事に行けというのか。

問題は、そんな社会で生きるのが幸せなんですか、ということ。私は畑をやっていれば幸せ。自由だから楽しいんですよ。