地主だからできること

地主は名士として、その地域で知れ渡っていることもあり、業界団体の役職に名を連ねていたりすることもあります。例えば、とある駅前の大半の土地を所有している地主は、自分の土地に地下鉄の出口を設けるため議員等のコネクションを使ったりなど、そんな噂も耳にします(もちろん、極々一部の地主の話です)。

ここで終わると地主がドラマに出てくるような悪者にしか見えないので、良い話も。弊社(一般社団法人桃太郎オフィス)は不動産相続を専門分野としているため、地主とかかわる機会が多いのですが、地主ならではのお悩みが多く、感心させられることがあります。具体的にどのような相談があるのか、かいつまんでお話ししましょう。

「金持ち喧嘩せず」を体現したような事例

遺産分割の際に実家の不動産を評価すると5億円程度でした。その実家は長男が丸々引き継ぐという話になっていたそうです。相続は3兄弟で分割することになっていたので、長男が実家を弟と姉から土地の持ち分を買い取る話をしたところ、弟と姉は「兄ちゃんが引き継ぐ土地なんだから、お金なんてもらえないよ」と言われたそうです。1.7億円(5億円÷3人兄弟)をいらないよ。なんて私は絶対言えません……。

支え合いの資産家

とある会社が倒産した際に、その社長が軽井沢の別荘(4,000万円程度)の売り先に悩んでいたそうです。そんな時、社長の娘の旦那様(上場企業の役員)が「今までお世話になりっぱなしだったので私に買わせてください」といって、現金で別荘を買っていきました。我々は不動産を購入する時に値上がりするかどうかを気にしながら選んでいるので、何も気にせずポンと買える器の大きさが資産家になる秘訣なんだと遠い目で見ておりました。