あれから半年あまり。私が思うのは、以前の生活には戻れないのだな、ということ。家から歩いて行ける距離にあった唯一のコンビニや、クリーニング屋さん、饅頭店までもが閉店しました。

修理の済んでいない家に、安心して住むことはできません。それでも明日は否応なしに来る。今は避難先の金沢から電車で片道3時間ほどかけて家に戻っては、ひとつずつ片づけて過ごしています。

震災から時間が経ったら、被災者は希望をもって前を向くべきなのでしょうか。現実は、そう簡単にはいきません。明日どこで寝て、何を食べられるのか。一日でも早く家に帰るためには、手続きはどうすればよいのか。そんな「最善の道」をただ探して動いていたら、いつの間にか季節が変わるほど時間が経ってしまいました。

これから先どうするのかもまだ決められていません。ひとまず二次避難先の滞在期限は7月末なので、それまではお世話になろうと思っています。

被災した家は、今は亡き祖父が建てたものです。本当によくぎりぎり倒れないで保ってくれたなと思います。祖父は、家を大事にする人でした。

そんな祖父の笑顔の遺影が、今は人の気配のなくなった部屋にあると思うと、何だか寂しい気持ちになります。