大久保佳代子×壇蜜。お互いをよく知る二人が恋愛観、人生観を語り合うと…(撮影:清水朝子)
2019年11月22日(いいふうふの日)に、漫画家の清野とおるさんとの結婚を発表した壇蜜さん。5ヵ月前の『婦人公論』で、恋愛・結婚について大久保佳代子さんと語っていました。13年からの1年間、深夜のバラエティ番組『だんくぼ』『だんくぼ・彩』で共演していた二人。時が経ち、それぞれアラフィフ、アラフォーとなりました。お互いのことをよく知るお二人が、シングル・ライフの理想と現実を語り合います。(撮影=清水朝子 構成=上田恵子)

老後を見据えながら淡い夢を捨てきれない

大久保 この前、地元に帰った時に同級生10人ぐらいで集まってバーベキューをしたら、5人が旦那持ちで、残りは独身だった。今、私は48歳だけど、半分結婚してないって、田舎にしては結構多いんじゃない?

 私の周りもシングルは多いです。子連れで離婚してもう一回スタートしますっていう話もよく聞くので、結婚がゴールだった時代は終わったなって、じわじわ感じています。

大久保 彼女たちも、30代半ばぐらいまではお見合いや婚活をしてた。でも、どこかで「もういいか」ってなったんでしょうね。たまに飲む仲間がいて、家も仕事もあるし。

 仲間とか仕事ってなかなか手放せない。パチンと切り離せるのが恋愛感情とか、配偶者ほしいみたいな欲だと思うんですよ。

大久保 それに、歳をとってくると性欲もなくなってくるじゃない。

 自分の生活リズムができあがっているから、そこに男が入ってくる必要も感じなくなって。

大久保 実家の母も、少し前までは結婚しろってうるさかったの。でも最近、「結婚が幸せかどうかなんてわからないんだから、お金だけ貯めておけばいいよ」というスタンスになってきた。そもそも母親だって、一日中同じことしか言わない父親と2人でいて、楽しいはずはないのよ。80歳になって察したのか、「老後は充実した介護施設に入るほうがいいんじゃない?」なんて言うよ。

 大久保さんは、自分の老後について考えることありますか?

大久保 ぼんやりとなら考えるよ。とはいえ、まだ48歳で欲もあるから、50歳くらいの裕福な男性と結婚して、茅ヶ崎の一軒家に住む、みたいな夢も捨てきれていない(笑)。でも、そんなことを言っているうちに60歳になっちゃうんだから、まずは実家を更地にして家を建てるのはどうだろうと考えているの。

 10年先のことまで考えてるんですね、すごい。

大久保 10年なんてすぐだって。ただアラフィフ世代は、いつご縁があるかわからないという期待もあって、なかなか踏ん切りがつかないお年頃なのよ。

 私の場合、両親と祖母、おばが健在で、まず彼らを看取るのが目標。祖父が40歳で亡くなっているため「40歳より長く生きろ、親を看取れ」というのが家訓なんです。たとえ私の代で家が絶えることになったとしても、最後まで“末代意識高い系”でいこうと思っています。

大久保 でもさ、看取るまではモチベーションが保てるけど、ひとりになった時のことも考えておいたほうがいいんじゃない?

 ですね……。最後のひとりを看取った時に、「これからどうしよう」と燃え尽きてしまうのが一番怖い。