「私は猫、鳥、ヘビ、トカゲ、ナマズに熱帯魚を飼っています」(壇蜜さん)

必要とされると充足感に満たされる

大久保 3年前からチワックスという種類の犬を飼い始めたのよ。名前はパコ美。パコ美が来て、本当に生活が変わった。まず飲み歩かなくなったし、朝は6時半に起こしに来るから、どんなに眠くても起きる。おかげで常に睡眠不足だけど、可愛い! 犬は人間の子どもと違って、いつまでも私のコントロール下にあるでしょう? 絶対的な安心感があるし、この子から必要とされていることに充足感も感じる。

 私は猫、鳥、ヘビ、トカゲ、ナマズに熱帯魚を飼っています。昔から“畜生”が好きなんです。

大久保 ……はあ。犬や猫は理解できるのよ、ぬくもりがあるし癒やされるし。でもヘビやトカゲって、基本的に見るだけでしょう?

 そう、見るだけ。でも、ヘビって脳みそが微妙にあるんですよ。だから時々理解できる瞬間がある。手に負えないもの、感情が読めない生き物の面倒をみて、ちょっとでもこっちを向いてくれた時に報われた気持ちになります。仕事や人間関係がダメでも、自分とは違う生き物が認めてくれているという喜びですね。

大久保 男が来た時、ビビらない?

 男なんて、一回したら帰っちゃいますし。というか、私が帰しちゃう。「タクシー呼んであげるから」って。あるいは、「泊まるなら、明日の朝、ヘビにご飯あげてくれないかな」と、冷凍庫からカチカチの冷凍ネズミを出す。できないなら、明日は一緒にいられない、と。ドン引きされますね。

大久保 踏み絵か!

 90cmあるナマズの水槽の掃除とか本当に大変なんですけど、芸能界でちやほやされて勘違いしないために必要だと思いながらやっています。「しょせんお前は、生き物たちの世話をするただの棒である」と自分に言い聞かせているんです。

大久保 私は仕事が少し落ち着いて、「もう子どもは難しいかな」と思った45歳の時に、「動物を飼っておけば、あとでドーンと落ち込まずに済むかも」と考えた。防衛本能だね。

 運命の出会いですね。

大久保 母性の注ぎ先になってる。「なんでママのとこ来ないの~」とか言って、ずずずっと足を引っ張って赤ちゃん抱っこするの。パコ美はいい迷惑だよね。でも信頼関係もできていて。晩酌のつまみの枝豆をなめて塩抜きしてあげると、喜んで食べるの。男は食べないよそんなの。

壇 わがままも可愛いですよね。

大久保 おきて~、お散歩つれってって~ってね。犬はもっと飼いたいのだけど、ひとりじゃ無理だから、そのためのパートナーはほしいのよ。

 そこで茅ヶ崎ドリームですね。現実的にいけそうな気がしますよ。

大久保 パコ美がその人になつきさえすれば、あとは目を覆うような欠陥がなければいい。最近目も悪くなってきて、鼻毛が出ててもなんとも思わなくなりつつあるから。

 相手が犬好きだったら万々歳!