初めて来てもなぜか懐かしい、肘折温泉朝市
肘折温泉の名物といえば、早朝5時から始まる朝市が欠かせない。4月20日から11月の毎日、温泉街の旅館の軒先に、地元の朝市組合のお母さん方が簡易的な店を広げる。
旬の野菜や山菜、果物、キノコをはじめ、手作りのお惣菜やお漬物など、素朴な商品が所狭しと並ぶ。そこを湯治客は浴衣姿でぶらぶらと歩いて見て回るのだ。季節によって商品のラインナップが大きく異なるため、いつ訪れても新鮮な気持ちでお店を見て回ることができる。
何だかわからない商品が並んでいたら、お母さんに聞いてみるのがおすすめ。「これはこうやって食べると美味しいよ」と調理法を教えてくれる。「これはおまけね」とこっそり果物を忍ばせてくれたりもする。こうしたコミュニケーションこそが朝市の魅力だろう。ほっかむり姿のお母さん方が「ありがとうね」と商品を渡してくれるときには、ここは自分の故郷かと錯覚するかのような懐かしさを感じること請け合いだ。
朝市が終わった後も、商店でお買い物を続けたり、足湯を楽しんだり、お散歩をしたり。朝市を理由に湯治客は皆早起きができるので、「朝活」のきっかけにもなる。早起きは三文の得、ここ肘折温泉ではゆったり流れる時間を朝から存分に楽しむことができる。