「入れ歯」で口臭のリスクが高まる

口臭対策という意味で、特に50代以降が注意したいのが「入れ歯」です。

たとえば、歳を重ねるごとに歯周病などで歯の本数が減り始めていくため、50代以降では<部分入れ歯>を導入する人が増えていきます。

その中でも保険診療による<部分入れ歯>とは、歯を失った部分に人工の歯と歯茎を入れ、両隣の残っている歯にバネなどを引っ掛けて使う装置のことを指します。

繋ぎ目や細かいパーツが多いため、<総入れ歯>より、実は清掃や管理が大変。またセラミックや金属は汚れがつきにくいのに対し、保険治療による<部分入れ歯>に使われるプラスチックには汚れもつきやすい。

そうした部分入れ歯の手入れには、ブラシなどを使う「機械的な清掃」、薬品を使う「化学的な清掃」の両方が必要です。

口をゆすぐだけでは、汚れを落とす効果がほとんどありません。そのため、機械的な清掃として、食事をするたびに外して洗うのが必須となります。

こうした手入れがきちんとできていないと、入れ歯にカビが生えたり、カンジタ菌が増殖してしまったりして、口臭がひどくなることがあります。また、もし合わない部分入れ歯を使い続けてしまえば、隙間に食べ物の残りカスが入りやすくなり、これも口臭や虫歯、歯周病の原因に。そのほか、入れ歯が動かないようにする安定剤のせいで、汚れが付きやすくなることも…。

唾液の自浄作用も、入れ歯に対しては機能しないため、入れ歯の導入によって虫歯や歯周病のリスクは、2倍以上になるともいわれています。

口臭予防の観点からも、「入れ歯」導入後は正しいケアがちゃんとできているか、定期的に歯医者さんで診てもらうようにしましょう。