土俵上での怪我

8日目の感動は、春場所に110年ぶりの新入幕優勝を果たしたが、7日目まで休場していた尊富士が登場したことだ。出世が早くて髪が伸びるのが間に合わず、ちょん髷で優勝杯を手にしていたが、8日目は大銀杏だった。

尊富士は、春場所14日目の相撲で右足首の靭帯を伸ばしてしまい救急車で運ばれたが、同部屋の照ノ富士に励まされて千秋楽は強行出場。勝って歴史的な優勝を果たした。しかし、次の夏場所は全休し十両2枚目に陥落した。名古屋場所は7日目まで休んでいた。尊富士は痛めた右足首にテーピングがあるが、6勝2敗で好調の十両筆頭・阿武剋に完勝した。

怪我といえば、元大関で大人気の前頭12枚目・朝乃山が、4日目に前頭11枚目・一山本に押し倒され、土俵から立ち上がれず車椅子で花道を引き揚げた。左膝前十字靭帯断裂などの大怪我で2ヵ月の休務加療を要し、復帰までに半年かかるといわれている。4月下旬の春巡業で右膝関節内側側副靭帯を痛めて夏場所は全休し、小結から前頭12枚目に落ちた。名古屋場所は3連勝していたので、この土俵上での大怪我は残念すぎる。以前あった土俵上での怪我に対する公傷制度があったらよいのにと思った。

一山本は若隆景の大ファンで若隆景グッズを集めまくり、仲良しの朝乃山に手伝ってもらい、そのグッズを紹介するYouTubeは何度見ても面白い。勝負の世界とはいえ、一山本も朝乃山が気がかりだろうと心配だったが、7月19日の『スポーツ報知』の大相撲欄に一山本の談話があり、「17日の午後8時頃にLINEで連絡。朝乃山からは「あとは頑張れ」と返信があったという」とあり、私は少し安心した。