「60代は目立っていい」と、背中を押されて

『着る学校』のレッスンに参加してまず感じたのは、「西先生はぶっ飛んでいる!」ということです(笑)。私自身もそうですが、ある程度の年齢になったら「年相応の恰好をしなきゃ」と思っている人が多いでしょう。でも、西先生には「年相応」という考え方がまったくない。年齢なんていっさい気にせず、いつも自分の好きなおしゃれ楽しんでいらっしゃる。こんな70代の女性がいるのかと新鮮でした。さらに印象的だったのは、「60代は目立ちなさい。70代はとんがりなさい」という言葉。「そうか、60代は目立っていいんだ」と、背中を押されたような気持ちになりました。

というのも、教員時代の私は「これは学校に着ていっても大丈夫?」という視点で、常に服を選んでいたのです。生徒たちはきちんと制服を着て授業を受けているわけですから、教える立場の私も学習の邪魔にならないような服を着なければと。生徒たちの気が散らないように色は黒かネイビー、胸元が大きく開いたトップスは着ない、膝丈より短いスカートは履かないというコンサバな装いが習慣に。教員同士の間でも、ジーンズは履かない、ノースリーブは着ないといった暗黙のルールがありました。

プライベートで着る服も、学校に着ていく服を多少カジュアルにアレンジした程度だったので、ワードローブは自ずと「無難な服」や「周囲と調和した目立たない服」ばかり。これは『着る学校』のレッスンを受けてから気づいたことなのですが、「無難」で「周囲と調和して目立たない」というスタイルは、実は私自身の生き方と重なっていたのだと思います。そんな自分を解放したい。西先生や同期のメンバーの方々がそれぞれの個性に合ったおしゃれを楽しんでいる様子を見ているうちに、私ももっと自分の好きな服を着たいと思うようになっていきました。

『着る学校』受講生・ななさん
お気に入りのジャケットを羽織って