時間を忘れて夢中になれる空間

その水槽をしばらく眺めていると、光と影による面白い現象が起きる事に気付いた。それは照明の下を泳ぐ「ある魚」の影。普通の魚は普通の影が映るが、カレイが泳ぐと菱形の影が見える。そして、カレイが壁と照明からの絶妙な距離のところを泳ぐと、一瞬だけ「泳ぐダイヤモンド」に見えるのだ。しかしこのタイミングがなかなか難しい。カレイの位置が少しずれたりすると映らない。そして、時には他の魚が映り込んでしまう。

気が付いたら1時間が経ってしまった。それだけ夢中になれる空間だったということだ。そして再び外に出ると、眩しい日差しの下にゴマフアザラシが日光浴をしていた。水族館の壁の向こうには見事に冠雪した利尻山の姿が見えていた。列島最北端にある水族館ならではの見事な光景であった。

 

愛らしい姿のゴマフアザラシ(C)2015〜2024 George Nobechi
写真を拡大 愛らしい姿のゴマフアザラシ(C)2015〜2024 George Nobechi

 


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