「フライング・ダイヤモンド」:菱形の影が映るカレイの泳ぎ(C)2015〜2024 George Nobechi
写真を拡大 「フライング・ダイヤモンド」:菱形の影が映るカレイの泳ぎ(C)2015〜2024 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら

日本最北端の水族館

前回の「シュール・ブルー列島水族館写真巡り」の続きで、今年2月に手がけた北海道撮影旅の際に訪れた水族館を紹介する。今回は稚内市にある日本最北端の通称「わっかりうむ」ノシャップ寒流水族館だ。

寒さに強いゴマフアザラシやペンギンも飼育されているが、この小さな水族館の屋内展示施設には熱帯魚コーナーもある。

しかし一番の見どころは回遊水槽ではないだろうか。北の海を代表するカレイ、オオカミウオ、ホッケなどが泳いでいるが、中には北海道の大魚、イトウもいる。飼育員の話によると、この水族館のオオカミウオは珍しく水槽の底に留まらず、活発に泳ぎ回ることで知られているそうだ。

写真を拡大 壁の向こうには利尻山(通称:利尻富士)、日差しを浴びるゴマフアザラシ(C)2015〜2024 George Nobechi