60代まで賃貸暮らしを続けてきた重松久惠さんは、終の棲家に東京郊外の分譲団地を選択。70歳の今もローン返済中だが、「老後の資金のことは全然考えない!」と笑う。不安を解消したポイントとは?(構成:山田真理 撮影:村山玄子)
所持金30万円で家も仕事も失った
引っ越しの時に家具なども多少新しくしたので、老後の資金になるお金はほとんどない(笑)。年金もまだもらっていません。だけど働けるうちは働けば、なんとか生きていけるだろうと楽観的に考えています。
よく「老後資金には何千万円必要」と数字だけ見て、それより少ないと不安だという人もいますよね。コップの水も、溜めた中身を飲んでいるだけなら減っていくばかり。
でもそこに蛇口からちょろちょろ水を足して、こぼれた分を飲んでいれば、コップの中身は減りません。その「ちょろちょろ」分だけでも働いて、稼いでいけばいいと私は考えているんです。
よく前向きだと言われますが、この考え方は、50代のどん底生活で鍛えられたのかもしれませんね。
昔はファッション業界でそこそこ華やかに活動し、元夫が起業したアパレル関連事業の経営にも携わりました。
ところが50歳になった時に会社の経営が行き詰まり、同時に離婚。資産はすべて事業に投資していたため、所持金30万円の状態で仕事と家を失うことになったのです。それから1ヵ月ほど、友人宅に居候する生活でした。