女三の宮に重なる中宮・彰子の幼さ
『源氏物語』では、登場人物が身につけている装束や、その色合いが、人となりを表現するものとして効果的に使われています。
女三の宮は、父・朱雀院の希望で光源氏に降嫁したのですが、14歳前後とまだまだ幼い。この細長は、女三の宮の可憐さやあどけなさも表しているのでしょう。
そこで思い出すのが、見上愛さんが演じている『光る君へ』の彰子です。「いけにえの姫」として12歳で入内した彰子は、頼りなくはかなげで、痛々しくさえ見えます。その幼さが「女三の宮のイメージに重なる」といわれているのです。
『光る君へ』には『源氏物語』のオマージュとおぼしきシーンが時折、登場します。「桜かさね」の細長は、このドラマの衣装として使われるのか。だとすれば、どんな場面で、誰が着るのかなど、あれこれ妄想が膨らみます。
そうそう、垣間見に重要な役割を果たした猫も忘れてはいけません。
中宮となった彰子には、黒と白のハチワレの小鞠(こまり)が寄り添っています。この猫が、今後、物語を動かすのか否か……小鞠ちゃんの活躍にも目が離せませんね。