結婚のメリットは何なのか
一昔前のイタリアであれば問題視されていた事実婚だが、今ではメジャーな選択となっている。
2016年、同性カップルに結婚に準じた法的権利を認める法律が施行された際に、事実婚の法律内容も改正され、婚姻関係に近い権利が保障されるようになったのも理由のひとつかもしれないが、先行き不透明な経済情勢の影響で実家から離れられなかったり、自分の親の不仲を見ているうちに結婚に希望を見出せなくなった、という若者たちは確実に増えている。
確かに、子どもが法律婚で生まれようと事実婚で生まれようと法の適用が同じなら、結婚のメリットは何なのか、という話にもなってくる。
私が留学していた頃のイタリアは、フランスやドイツと比べ、キリスト教的倫理観がしっかりと根付いており、世間体や体裁を強く意識する傾向があった。
私も当時同棲していた彼氏の母親から、「親族に対して恥ずかしいから、一緒に暮らしたいのなら早く結婚を」と急かされた。しかし、今ではそんなことを言う親も減少傾向にある。