すべての言葉に重みがある

―――「夢をあきらめるな!オーディション」を勝ち抜き、SHOW-WAというグループに編成されて約1年。フジテレビ『ぽかぽか』のエンディングテーマ『君の王子様』でメジャーデビューも果たした。

山本 いやもう、激動の1年でした。この1年ほど密度の濃い1年は経験できないと思います。

寺田 ほぼ初対面のメンバーと知り合って、ひとつのことにこれだけ没頭して、少しずつファンの方が増えて、幸せな1年になっています。

塩田 僕らはやはり秋元康先生のプロデュースということで、恵まれた環境でスタートラインに立っています。『ぽかぽか』の出演もそうですし、ほかのアーティストさんが何年もかけて実現することをぎゅっと凝縮して実現していっている。だからこそ、これまで歌を専門にやってきていない30過ぎたやつらが、汗水たらして泣きながらがんばってるよという泥臭いところを見てもらいたい。それがみんなの勇気になれば、うれしい。この1年はきっとそんな僕らの土台作りだったんだと思います。

青山 それが昭和という時代によくある光景だったのかもしれないね。今ってきれいに見えるほうがいい、泥臭いのはダサいという価値観があるように思うけれど、昭和って下積みで努力している人がいれば、助けてくれる人がいたり、人と人のつながりがとても近くて、もがき苦しみながら達成したときにはみんなで喜びあえる時代だったんじゃないかな。

寺田 ひとつのことに夢中になれる時代だね。だから、今、転職して新たな世界に飛び込んだ僕らは時代に逆行している。(笑)

井筒 仕掛人の秋元康さんに最初にお会いしたときは、僕は、すべてを見抜かれてる気がしたんだけど、みんなはどうだろう? 秋元さんって口数は少ないけれど、すべての言葉に重みがあって、経験が詰まっているという印象だった。

山本 大きく見えたよね。