稲妻に打たれたような痛み
だけど足が「攣る」は本当に想像がつかなかった。
あんなに激痛で断末魔の叫びをあげてしまうものだとは。
普段どんな時も口を閉じて冷静を装いたい私が、脂汗かきかき顔をグニャグニャに歪めてギヤヤ!と叫び倒してしまう、あの稲妻に打たれたような痛み。
見た目、「ひとり地獄」である。ほんの数分でさえ永遠に感じてしまうもの。
他人はなぜかその永遠をケケケと笑って見ていることが多い。
いや下手に手を出されると更なる激痛、イタタタタタやめてぇええ…!!
私が初めて経験したのは長男を妊娠中、いわゆる「こむら返り」というやつだ。
それまで一度も経験のなかった足攣りが、一生分やったというくらい毎晩起きていた。
そして5年後の妊娠、次男の時はさらに酷かった。
むしろこむら返りに慣れてきて、夜中にビビっ!!と足が攣り始めると、
しばらく動かない→体を揺らす→泣きながら少しずつ反対側に足を曲げていく→徐々に足先をバタつかせる
このパターンを真夜中に布団の中で1人繰り返し、自分の足を落ち着かせるルーティンが完成した。
お腹の子どもは母親の栄養分をもらってすくすくと育つのだから、この足の痛みはむしろ大変喜ばしいのだ…そう自分に言い聞かせ、横でゲラゲラ笑い転げている夫を恨めしく思っていた。
いや、笑い転げてくれていた方がまだ安全なのだ。親切心から私の足首を持って無理矢理反対方向に曲げようとしようもんなら…。
それは本当に救急措置なのかと疑う激痛が走る。足が攣っている時ほど夫に近づいてほしくない時はない。いや、誰も近づかないでぇえ。
痛みが治まるまでわたし自身でなんとかするから痛いぃぃぃぃぃいいいい!!!