美空ひばりさんと三橋美智也さん

2人目は、美空ひばりさんです。ひばりさんはヒット曲が多すぎて、選曲に悩みました。はずせないのはA面デビュー曲の『悲しき口笛』。これはひばりさんが主演を務めた映画の主題歌なのですが、当時、ひばりさんは12歳。やっぱり天才だね。映画はひばりさんの故郷でもある横浜が舞台。ぼくも「よこはま・たそがれ」で世に出たからなんとなくご縁を感じます。

ひばりさんの曲はどれを聴いても大ヒットしたという印象がある。ほとんどの曲は歌詞を見なくてもいまだに歌えるんだから、昭和のヒット曲ってすごいよね。ひばりさんも本当に歌がうまい。小さいころから、大人の歌を歌えたわけだし、英語の発音も素晴らしかった。おそらく耳がよかったんでしょう。

晩年、いろいろあって、病に侵されて苦しんだひばりさんですが、ひばりさんが苦しいときに、僕がちょうど結婚して長男が生まれて幸せに酔いしれていたということを思うと申し訳なかったなという気持ちが今でもあります。そんな気持ちも込めながら、今回も熱唱するつもりです。

3人目、つまり5日目に登場するのが三橋美智也さん。僕が最高にいい声の持ち主だと思っている歌手です。子どものころ、ラジオにかじりついて三橋さんの「哀愁列車」や「古城」などを聴いては歌っていたんですが、まさに僕が歌好きになった、そして将来は歌手になりたいと思った原点です。

三橋さんは日本全国の民謡を歌い継いで、民謡というものの存在を世に広めた功績も大きいですね。こぶしは回すけれど曲を崩すことはない。そんな真面目な歌い方も大好きでした。