小橋の真意
そのうえで「そんでお前が想像しているとおり、その苦しさはずっと続くし、お前はこの先の人生、ずっとできる奴らと比べられ続ける。平等ってのはさ…俺たちみたいなやつにとって、確かに損なところもたくさんある。でもそのいらだちを向ける時、お前、弱そうな相手を選んでないか?」と続け、学生の目を見てたずねます。
「えっ?」と学生が答えると、「この先、どんな仕事をしてどんな人生を送ろうと、弱そうな相手に怒りを向けるのは何にも得がない。お前自身が平等な社会を拒む邪魔者になる。嫌だろ?」と話します。
「嫌だ…」と答えた学生に対し、「ま、一番になれなくてもさ、お前のことをきちんと見てくれる人間は絶対にいるからさ」と勇気づける様子に一堂は言葉を失います。
最後に「わりい。裁判官も法律も、なんも関係ない話をしちゃってさ」と話すと寅子は「いいえ!とっ……てもいい話だった!」と小橋を称えるのでした。