現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』。屋外ロケで武士たちが戦うような戦国ものとは違って、屋内でのドラマ展開が多い今作。貴族たちの美しい着物や建物など、平安時代の雅も見どころの一つだ。画面を通して四季の風情を感じさせる壮大なセットなどにも、エコへの取り組みがなされているという。『あさイチ』も合わせ、舞台裏を見せてもらった
(取材・文◎しろぼしマーサ 写真提供◎NHK)
(取材・文◎しろぼしマーサ 写真提供◎NHK)
「内裏・藤壺」の優雅な調度品の数々
NHKでは初めての平安中期の貴族社会を舞台にした大河ドラマ『光る君へ』は、ドラマの後半を迎え、主人公のまひろ(紫式部・吉高由里子)が、源氏物語の執筆を開始し、藤原道長(柄本佑)の長女である中宮彰子(見上愛)の女房として力をつくすことになる。
『光る君へ』は、ストーリーの展開を楽しむだけでは、もったいないドラマだ。
平安時代の帝(天皇)の最高級の住まいである内裏・清涼殿、中宮彰子が過ごす後宮の七殿五舎のうちの一つである飛香舎(別名=藤壺)、藤原道長の邸宅である土御門殿などの建物や庭が見ものだ。さらに、その時代ならではの品格ある室内の調度品(家具や生活用品)、衣装なども鑑賞に値する。
NHKの美術チームが、復元された国宝『源氏物語絵巻』、平安時代を偲ばせる建物、屏風絵、調度品を研究し、建築や風俗などを専門とする時代考証の先生方の意見をもとに作り上げた世界がドラマを盛り上げている。