子ども部屋や夫婦の寝室にも立ち入ってきて
盆正月はサチヨさんが手料理を準備して、義兄一家を迎える。が、「いつもありがとう」「ごちそうさま」の言葉はついぞなく、義姉が台所を手伝うこともない。
「それどころか、子どもたちが好きだろうと、わざわざ作ったから揚げやちらし寿司を、『こんなもの、どうせ食べやしないわよ』と、鼻で笑うんですよ。ムカッときます」
義姉は、サチヨさんが仕事に出かけたのを見計らったように、留守中、ほぼ毎日、姑のもとにやってくる。家に上がれば義兄同様、冷蔵庫を勝手に開け、サチヨさんが夕食用にと買い置きしていた食材を使う。義母が許すのをいいことに、子ども部屋や夫婦の寝室にも立ち入る。このことに関しては、あとで各部屋ともに、鍵を取り付けたのだとか。
「私たちの暮らしをチェックして、二人で私の悪口でも言ってるんでしょう。でもね、あるとき、義兄の子どもの学校と、うちの子の学校の運動会の日が重なったことがあったんです。義母は、『誘われてるから、あちらの運動会に行く』と出かけていったのが、午後になって、うなだれてこちらの会場にやってきた。
聞けば、向こうでは義姉の実家の親が来て盛り上がっていて、義母にはお昼の弁当の用意もなく、それで帰ってきたとのこと。このときはさすがに義母がかわいそうで、あとで義兄夫婦に文句を言いました」
義兄夫婦との関係はストレスがたまるばかり。姑については、やるべきことはやるつもりだが、きょうだいのつき合いのために歩み寄る努力はもうしない。無視する。サチヨさんはそう決めたところだ。