人間関係は牛歩で進め

「飲んだらスッキリしました! また会いましょうね」

飲兵衛の3人はいつも赤ら顔、もしくは千鳥足で解散。互いのことを「友達」と称するのも遠慮があったし、出会ってから一気に関係性が進んだわけではない。今でも互いに踏み込むことのない、絶妙な距離感がある。

その距離感を寂しさだと捉える人もいると思うが、大人の友情にはそういうものが必要だと、おばさんになってからよく思うようになった。年を重ねて感じたのは、他人との接近には多くの体力を消費する。疲れる。普段の生活で使っていく体力の担保を考慮すると、人間関係にあまり多くの体力は消耗したくない。大人の友情を縮めるのは、牛歩ペースで十分だ。

こんなことばかりを並べていると、上品な関係性を想像されそうだけど、そんなことはない。

「あー、もう会社辞めてやる。上も下も言うこと聞かねえし!」
「もっといい文章を書いて、売れたいな、チックショー」
「明日からクソババア(義母)と一緒なんですよ……」

など、酔いに任せておばさんの愚痴はちゃんと登場する。でも最後の壁を崩さないように、敬語に戻るような感覚だろうか。時には盾に、時には淑女らしくと、何かと汎用性に富んでいる。既存の関係に突然の敬語使いは、ヒビ割れを起こしそう。もしこれから関係性を築く機会があったら、ゆる敬語友達も試す価値ありです。

飲み会の一枚。だんだん量も飲めなくなったけど、それでもうまいぞ、酒