そのほかに詐欺の典型的な手口として、行政や警察など公的機関を名乗って接触してくるパターンがあります。警察を名乗る人物から、「あなたの口座が悪用されました。このままではあなたも犯罪者として取り調べの対象になる。捜査のためキャッシュカードが必要です。係の者がこれから伺います」と電話がかかってくる。

突然そんなことを言われたら、気が動転してしまいますよね。そこにつけ込み、電話の直後にニセの制服を着た警察官がやってくるという巧妙さです。すっかり信じて、言われるままカードを渡し、暗証番号を伝えてしまったという被害が本当に多い。ほかに銀行員、弁護士など複数の人物が登場するケースもあります。

また、今や生活必需品となったスマホのメールを使った「フィッシング」や「架空請求」の詐欺も横行しています。

例えば電力会社を装い「電気料金が未払いです。明日までに3万円振り込まないと電気を止めます」とメールを送り、そこに記載されたURLをクリックさせて、クレジットカード番号の入力へと導く。ショートメールのメッセージであれば詐欺だと気づく人も多いのですが、メールアドレスに届くケースも増えているので注意が必要です。

さらに最近話題になっているのが、「SNSでの投資広告」詐欺。堀江貴文さんなど著名人になりすまし、動画などで投資を呼びかけるというものです。

この動画はディープフェイクと呼ばれ、AIを使って本人の映像や音声を加工し、本物のように作った偽物。言葉巧みにLINEグループに誘導し、サクラと呼ばれる偽物の客からの「おかげで200万円増えました」などというコメントを見せる仕組みになっています。

そのうえで、追い打ちをかけるように「今月中に投資しないと乗り遅れます」などと急かし、何百万、何千万という金額を振り込ませる、といった被害が続出しているのです。