日本の公的年金制度の仕組み
日本の公的年金制度は、現役世代が支払った保険料を、そのまま受給世代(年金をもらっている人たち)の年金に使うという仕組で運営されています。これを賦課(ふか)方式といいます。
要するに、受給世代は若い人たちからの仕送りで生活しているようなものなのです。
受給世代は「これまで支えてきたから、これからはよろしく」ということですが、昔と今では、仕送りをする人数とそのお金で生活する人数がまったく異なります。
2021年の高齢社会白書(内閣府)によると、1975年は現役世代8.6人で1人の受給世代を支えていましたが、2020年には2.1人で1人を支えるようになり、2065年には1.3人で1人を支えると予測しています。
「じゃあ、やっぱり年金が減って、いつかもらえなくなるの?」
心配になる気持ちは分かりますが、年金制度が崩壊することはないでしょう。
先ほども示したように、4分の1の世帯が年金のみで暮らし、それ以外の世帯の多くが収入の柱を年金に頼っているという状況で、年金額を大幅に減らしたら何が起きるでしょうか。日本中に生活できない人があふれてしまいます。
それが起きないように調整するのが、政府の仕事です。少なくとも、急に年金額が大きく減額される心配はいらないでしょう。