弟子、孫弟子、全員に売れてもらいたい
逆に、私が弟子に言う言葉。そうですね、あんまりアレコレは言いませんけど、私たちが普段出してもらう寄席は、お客さまも我々も同じトイレを使う形になっているんです。そこが汚れていたら、自分たちの恥。なので、誰もいない時にきれいにしておきなさいとは言っています。
特に道具がなくても、全部手でやってキレイにしたらいい。汚いものが手についても、そんなもん、洗えばいいんだから。そして、大切なことは「自分がやった」って絶対に言っちゃダメ。知らん顔しといて、お客さまが気持ちよくトイレを使ってくれていたら、自分だけが喜べばいい。言ったら、やったことが消えちゃうよ。それは言ってます。
そして、弟子、孫弟子、全員に売れてもらいたい。無茶な話なのかもしれませんけど、思いとしては心底、そう思っています。弟子が売れるためならなんでもする。これも心底思っています。自分の子どもですからね。当たり前なんですけど。
よく考えたら、小さい頃からガキ大将だったんですよね。年下の子らを連れて今日は何をして遊ぼうか。そればっかり考えてました。あそこで野球をしようか。あの公園に連れて行ってやろうかと。
そして、今もそうなんですよね。弟子たちと今日は何をしようかと。基本の考え方は変わってません。ま、そんなことしてるんだったら、落語の稽古をしろと言われると困っちゃうんですけど。(笑)
ただ、もう78歳ですしね。おそらくそこの考えは変わらないだろうし、これからもそうやっていけたらなと思っています。