見ごたえのある作品

最後、孝二郎は救えなかったアイヌの人々への想いを胸に、ある行動を選び取る。

孝二郎のような日本人がいたから、私たちは今、一抹でもアイヌの人々の生活を知り、その苦難の民族史を想像できるのだ。

その行動とは、文字をもたなかったアイヌの人々の悲哀を書き残すことだ。このストイックな役柄を、まだ若い寛一郎は立派に演じたと思う。

悲劇の女性を演じたサヘル・ローズ、過去を背負った仇の善助を演じた和田正人、松前藩を率いる大川役の緒形直人、和人に対抗するアイヌのリーダーに藤本隆宏など、実力派俳優が脇を固め。見ごたえのある作品になっている。是非劇場へ!

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シサム』は9月13日(金)より全国公開

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