午後は、利安さんのお宅での麻雀講座だ。4台の雀卓が、平均年齢80歳という参加者の手で素早くセットされていく。
「道具のいくつかは『スコーレ通信』で呼び掛けて不用品を集めたの。講座で必要なものは、講師が準備するのが原則です。『講師の人だってほかの複数の講座をタダで受けているんだもの、お稽古事の月謝に換算したら安いものだ』って、誰も文句を言いません」(利安さん)
あみだくじで台を決め、真剣勝負をした後は、またもやお茶会で盛り上がり、恒例のプチ・バザーへ。数人が持参した、庭でとれた野菜や手作りの総菜がテーブルに並ぶ。価格はスーパーより少々安めだという。
「漬物、欲しい人!」「はい!」「希望者多数。じゃんけんね!」「じゃん、けん、ぽいっ!」「きゃあ、勝った!」。まるで女子学生のようなはしゃぎぶりだ。
「この収益と、年3~5回開催されるバザーの収益が『グループ・スコーレ』の資金源です。昨年は188万円も集まりました」と、利安さんは誇らしげに話す。
お金の流れはすべてオープン。余剰金は、遠足などの行事や参加ポイントカードの特典に使うなどしているという。
「なんでも楽しみに繋げないと!そういえば、メンバーが経営する保育園から背の低い玉入れの用具を借りて運動会もやったの。『走ったらダメ!』なんて言ってね(笑)。『年寄りだから無理』は禁句。どんなことだって年寄り仕様に変えればいいだけです」(利安さん)
どこまでもポジティブでエネルギッシュで、こちらまでパワーが注入されていくようだ。
利安さんは、講座を「学べて笑えるデイサービス」と表現する。最近、2割の会員がおひとり様になり「夜が寂しい」という声も届く。それならばと、メンバーの家にお泊まりする「ショートステイ」も準備中だ。