「顔出し・名前出し・人生を晒してる」唯一のテレビ局員
池松:「上がってしまった期待値」を意図的に下げるのは、難しいのではないでしょうか? 世間はいい人ばかりではないし、匿名ゆえにSNSにはさまざまなコメントが飛び交うでしょうから。
篠田:もともと僕自身「追っかけ」や「ストーカー」といった低い位置からスタートしたのですが、「実はそんなに悪い奴じゃないんだな」と思われたのか、期待値は上がる一方でした。そもそも、皆さんの期待値を超えるような人間ではありません。ですから「上がりすぎた好感度を下げる」方法については、現時点で思いつきませんね。
池松:YouTubeチャンネルだけでなく、テレビ番組にも出演し、自らの名前や過去の人生までも公にしている。そうしたテレビ局員は、現在では篠田さんだけです。テレビとYouTubeの両方で成功している方々※は、すでにテレビ局を離れています。しかし、篠田さんの行動力と仕事に対する真摯な姿勢が、多くの人々から高く評価されているのは事実であり、それが現在の活躍につながっているのでしょう。
元テレビ東京の佐久間宣行さんや高橋弘樹さんたちは、テレビでもYouTubeでも大ヒットコンテンツを作った後、円満退社してフリーになり「顔出し・名前出し」して個人としての活動を続け成功していますね。テレビとYouTubeの両方で成功した後に「会社員としてのキャリアプラン」を描くことがいかに難しいかが伺えます。
T.M.Revolutionの西川貴教さんは『秋山歌謡祭2024』に番組ゲストとして出演し、その後自身のイベント『イナズマロックフェス※』に篠田さんとロバートの秋山さんを『秋山歌謡祭』として招待している。これは単なるYouTuberとのコラボを超えた、『秋山歌謡祭2024』の番組出演に対するアーティストとしての「愛ある返礼」と言えるのではないでしょうか。
※「イナズマロックフェス」:滋賀県初の大型野外フェスで今年で15年目を迎える。滋賀ふるさと観光大使でもある西川貴教さんが主催し毎年9月ごろ開催されるイベント。https://inazumarock.com/2024/
篠田:本当にありがたいです。先日、別のイベントで西川さんにお会いしたとき、「秋山歌謡祭として出てもらいたいから、よろしくね」と直接お声がけいただいて、すごく嬉しかったです。ものすごく愛を感じました。
池松:でも、そうするとますます有名になって、遠い存在になってしまうのではないですか?
篠田:そういう対象ではないので、もし自著※をテレビ局に持ってきて頂いたら、サインして感謝の気持ちを伝えたいと思っています。