小塩山はどこにある?
それほどまでに紫式部に愛された小塩山ですが、それが京都のどの山を指すのか、正直、私もよく知りませんでした。そこで、猛暑にもかかわらず、いざ大原野へ。地図上では、さほど遠くないように見えたものの、移動には思ったより時間がかかりそうです。
電車の駅から、遠足気分でバスに揺られること約20分。「南春日町」のバス停で降りると、京都市内とは思えない、穏やかな田園風景が広がっていました。
観光客はおろか、地元の人とすれ違うこともない道に、小さな不安を抱えつつ7、8分歩くと、神社の立派な鳥居が見えてきました。鳥居の脇には「紫式部 氏神のやしろ」というのぼり旗が。
鳥居に向かって左手にそびえるのが、標高642メートルの小塩山です。
小塩の山と一体化したような、緑豊かな境内。参道沿いには、先に紹介した紫式部の望郷歌「小塩の松に 今日やまがへる」ののぼり旗が何本も並び、紫式部ゆかりの神社であることを強力にアピールしています。
秋には、この参道が紅に染まるとのこと。これぞ穴場。観光地の喧騒をさけて、京の秋の風情をゆっくり楽しむには絶好の場所といえそうです。