狛犬ならぬ「狛鹿」に注目
鹿の手水舎で身を清めて三の鳥居をくぐると、次なるサプライズが。
なんと、狛犬ならぬ「狛鹿」が本殿を護っているのです。 「狛鹿」は全国でもここだけということで、珍しさと愛らしさに、目が釘付けになります。
大原野神社のご利益は、良縁成就、縁結び、家内安全、勝運、厄除けなど。御守りなどの授与品やおみくじにも神鹿があしらわれていて、あれもこれもほしくなってしまいます。
帰りのバスは1時間に1本しかないため、時間つぶしも兼ねて、鯉沢池のほとりにある春日乃茶屋でひと休み。名物のよもぎ団子と冷たいよもぎ茶をいただきました。
古くから大原野ではよもぎがよく採れたとか。この店のよもぎ団子も、昔ながらの味と形を守っているとのことで、素朴な甘さと自然の苦みが、疲れた身体に沁みました。
1000年前、豪華な行列を従えた中宮・彰子は、どんな心持ちでこの社を参拝したのでしょう。一条天皇との夫婦仲が深まり、一族がさらに繁栄することを祈願したのでしょうか。
一方、お供をした紫式部は何を祈ったのか。物語の成功か、あるいは娘の健やかな成長か……。よもぎ茶を飲みながら、そんな想像をしてみるのもおもしろいかもしれません。