わが家が描いたビジョン

ビジョンとは未来像です。そしてその未来像を実現させるためにやるべきこと、それがミッションです。

ビジョンは「ビジョン達成のために、どうする?」というミッションにつながり、日々の決断はミッションに紐づいて意思決定されます。

日々の決断が夫婦で違ってしまったときも、ビジョンやミッションに基づいて、なぜその決断をしたのか振り返りやすくなります。

とはいえ、少し抽象的な話になってしまったので、わが家がどのようなビジョンを描いて子育て期を乗り越えているか、事例を紹介します。

『家族全員自分で動く チーム家事 日本唯一の家事シェア研究家が導き出した』(著:三木智有/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

娘が産まれてひと月後のこと。僕は小さくて可愛い娘に心からムカついてしまった日がありました。

当時すでにNPO法人 tadaima! の活動をしていた僕は、頭でっかちに育児の知識だけは勉強しており、「こうすれば大丈夫」というノウハウをいっぱい持っていました。

その頃よく聞いていたのが、「ママが子どもの夜泣き対応で夜中に何度も起きるのに、全然気がつかずに横で寝てるパパの姿に殺意が芽生えた」という話。

僕は同じ轍を踏むようなことはするまいと、娘が夜泣きをするたびに起きていました。

しかし、泣き止ませるために妻が授乳していても、僕はとくにやることがありません。真っ暗な寝室の中、眠気と戦いながら何となく妻の背中を擦っていました。一方、僕がミルクをあげるときは、妻には体力回復のために眠ってもらっていました。

その結果、まとまって眠る時間がほとんどとれず、僕の体力と精神力はどんどん削られていったのです。